
【失敗しない!】カスタードクリームが固まらない理由とプロの解決法(保存版)
カスタードクリームが固まらない…その「なぜ?」を探ろう
「冷やしてもトロトロのまま…」「スプーンですくうと流れちゃう…」
そんな“カスタードが固まらない問題”に悩む方、多いですよね。
でも安心してください。カスタードクリームって、ほんの少しの温度や混ぜ方の違いで仕上がりが変わるだけなんです。
つまり、ちょっとしたコツを知るだけで失敗がぐっと減るんですよ。
カスタードクリームの主役は、卵・砂糖・牛乳・デンプン。
材料はシンプルだけれど、熱の伝わり方やたんぱく質の反応がとっても繊細。
それを知れば、「どうして固まらなかったのか?」がスッキリ見えてきます。
カスタードが固まる“科学”をやさしく解説
カスタードクリームがなめらかに固まるのは、
卵黄のたんぱく質が80〜85℃くらいでゆっくり固まり、
同時にデンプンが**糊化(こか)**してとろみを出すから。
この2つがタイミングよく反応すると、
あのぷるん♪となめらかな口どけになるんです。
でも、たとえば…
- 火が強すぎて90℃を超える
- 加熱を途中でやめてしまう
- デンプン(粉)の量が足りない
こんなときは固まらず、「シャバシャバ」「ドロドロ」になってしまうんです。
よくある失敗パターンをチェック!
| 原因 | 状態 | 解決法 |
|---|---|---|
| 火が強すぎ | 卵が分離して粒々に | 中弱火でゆっくり加熱 |
| 加熱不足 | とろみが出ず冷えても流れる | 80〜85℃をキープしてしっかり加熱 |
| デンプンが少ない | コシが弱くとろみが足りない | コーンスターチや薄力粉を追加 |
| 卵が古い | 凝固力が弱く固まらない | 新鮮な卵を使用 |
どれも、原因さえ分かれば次はもう大丈夫。
お菓子作りは“観察力”がいちばんのスパイスなんです。
温度管理がいちばんの決め手!
カスタードを作るとき、温度計があれば心強い味方。
でも、なくても大丈夫。目で見て分かる“サイン”があります。
理想の加熱タイミングは?
- 泡立て器で持ち上げると、
クリームがリボンのように垂れて、ゆっくり跡が消える瞬間。
この状態が「とろみがついた=ちょうどいい温度帯」なんです。
冷ますときの注意ポイント
- 鍋に入れっぱなしにすると余熱で固くなりすぎることも。
- 火を止めたらすぐにボウルへ移して、ラップをぴったり密着させましょう。
これで表面の乾燥や“膜張り”を防げます。
ちょっとの手間が、クリームのなめらかさを守る秘密です。
卵とデンプンの選び方でも味が変わる
「卵も粉もなんでもいいや〜」と思っていませんか?
実はここにもおいしさの分かれ道があるんです。
卵は“新鮮さ”が命!
- 新しい卵ほどたんぱく質がしっかりしていて、熱でキュッと締まりやすい。
- 古い卵は水っぽくなりやすく、ゆるい仕上がりに。
買ってから3日以内の卵を使うと、
とろみの安定感がぐっと上がります。
デンプンの種類で食感が変わる!
| デンプンの種類 | 特徴 | 向いているお菓子 |
|---|---|---|
| コーンスターチ | 軽くなめらか | シュークリーム・エクレア |
| 薄力粉 | もっちり・やや重め | タルト・パイ |
| 半々ブレンド | なめらかさ+コシのバランス◎ | どんなスイーツにも |
どれを使うかで食感が変わるから、
「今日はふわっと」「今日はしっかりめ」など、
気分でアレンジしても楽しいですよ。
なめらか仕上げの混ぜ方テクニック
卵黄と砂糖を混ぜるとき、ちょっとしたコツで大きく変わります。
- 砂糖は完全に溶かす!
ザラザラしたままだと加熱中にダマの原因に。 - デンプンはその後で
先に混ぜておくと均一になじみ、なめらかに。 - 牛乳は少しずつ加える
温めた牛乳を“3回に分けて”混ぜると分離しにくくなります。
こうすることで、
“口当たりの良いなめらかカスタード”が叶いますよ。
火加減の黄金ルール
カスタード作りで焦げる一番の理由は「火が強い」こと。
プロのパティシエも、中弱火でじっくりを徹底しています。
- 鍋底を絶えずゴムベラで“なでる”ように混ぜる
- 鍋は熱伝導のやさしい“ホーロー製”や“厚手アルミ”を選ぶ
これだけで、一気にプロの味に近づきます。
プロがやっている黄金比とは?
実は、失敗しない“バランスのいい配合”があります。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 卵黄 | 2個 |
| 砂糖 | 40g |
| 牛乳 | 200ml |
| コーンスターチ | 10g |
この比率は甘さ・とろみ・コクのバランスが絶妙。
温度計を使うなら80℃前後をキープしながら、
泡立て器でなめらかになるまで混ぜてくださいね。

基本のカスタードクリームの作り方
では、実際に作ってみましょう。
難しそうに見えても、順を追えばとってもシンプルです。
手順
- 卵黄と砂糖をよく混ぜる
白っぽくなるまでしっかり混ぜて、砂糖を完全に溶かします。 - コーンスターチを加える
粉っぽさがなくなるまでよく混ぜましょう。 - 温めた牛乳を少しずつ加える
最初に全部入れると分離の原因に。
3回に分けて“なじませながら”加えるのがコツです。 - 鍋に戻して中火で加熱
絶えず混ぜながら、リボン状に垂れるくらいのとろみが出るまで。 - 火を止めて冷ます
ラップをぴったり密着させて乾燥防止!
完全に冷えたら、ふんわりホイップと混ぜて
“クレーム・ディプロマット”にしてもとってもおいしいですよ。
カスタードのアレンジ3選
基本をマスターしたら、次はアレンジに挑戦!
- 抹茶カスタード
抹茶パウダー小さじ1を加えて、和風の香りを楽しむ。
フルーツタルトにもぴったり。 - チョコカスタード
チョコレート20gを溶かして混ぜるだけ。
リッチで濃厚な味わいになります。 - カフェオレカスタード
牛乳の一部をコーヒーに変えて、大人っぽい香ばしさに。
ビスケットサンドやパイに◎。
どれも混ぜるタイミングは“最後の加熱後”がおすすめです。
香りを飛ばさず、なめらかさもキープできますよ。
トラブル解決Q&A
カスタードはちょっとしたことで変化するから、
よくあるお悩みを先にチェックしておきましょう。
Q. 固まらなかったらどうすれば?
A. 弱火で再加熱しながら、コーンスターチを小さじ1ほど
水で溶かして加えましょう。数分でとろみが復活します。
Q. ダマができてしまった!
A. ざるでこすか、ハンドミキサーでなめらかにすればOK。
再度少し加熱すると安定します。
Q. 保存はどのくらいできる?
A. 冷蔵で2〜3日が目安です。
ラップをぴったり密着させて保存すれば、表面が乾きません。
冷凍は分離しやすいのでおすすめしません。
プロが実践する「事前準備の魔法」
作る前のひと手間で、仕上がりが格段に変わります。
- 材料は常温に戻す
温度差が少ないほうが分離しにくいんです。 - 鍋は厚手で小ぶりなものを選ぶ
熱が均一に伝わりやすく、焦げづらい。 - 道具はゴムベラ・泡立て器・温度計を用意
これだけで作業がスムーズになります。
そして何より大切なのは、慌てずゆっくり作ること。
カスタードは「スピード勝負」ではなく「見極め勝負」なんです。
仕上げのひと工夫で“お店の味”に
- 火を止めたあと、バターをひとかけ混ぜるとツヤとコクがアップ。
- バニラエッセンスを数滴加えるだけで、香りが一気に上品に。
- クリームを冷やしたら、一度泡立て器でほぐすとふわっと軽くなります。
たったこれだけで、味も口当たりもぐっとランクアップしますよ。
お菓子作りをもっと楽しくするヒント
- 失敗したクリームも、パンに塗ってトーストすれば絶品!
- フルーツと和えてパフェ風にしてもおしゃれ。
- カスタードをベースにしたお菓子(プリン・シュー・タルト)は
どれも“温度と混ぜ方”が共通のコツなんです。
「うまくいかない…」と思ったときこそ、
実は一番の上達チャンス。
カスタードは“気温や材料の個性”を感じ取るお菓子だから、
回を重ねるごとに確実に上手になりますよ。
ポイントまとめ
- 卵とデンプンの反応温度は**80〜85℃**が理想
- 火を止めたあとすぐに冷ますことでなめらかさをキープ
- 材料は常温・鍋は厚手・混ぜ続けることが成功の鍵
- 失敗しても焦らず、再加熱+コーンスターチで修正OK
- 配合の黄金比:卵黄2個・砂糖40g・牛乳200ml・コーンスターチ10g
カスタードクリームは“科学と愛情の融合”。
基本の原理を知るだけで、おうちでもパティスリーの味が再現できます。
作るたびにツヤツヤ・ぷるんっとした理想のカスタードに近づけるはず。
お菓子作りがもっと楽しく、ちょっと誇らしくなる時間を
ぜひキッチンで味わってくださいね。

