ショウリョウバッタのごはんと暮らし｜野菜・草・水分のおすすめとやさしい飼い方

第1章：はじめに｜バッタとの暮らし、ちょっと気になっていませんか？

庭や公園でぴょんぴょん跳ねるショウリョウバッタ。子どもが手のひらでつかまえ、「飼ってみたい！」と目を輝かせたこと、ありませんか？でも、いざ家で飼うとなると「何を食べるの？」「お水はいるの？」「草ってどんな草？」とわからないことばかり。特に食べ物については、草だけで足りるのか、野菜で代用できるのか、悩む方も多いはずです。

本記事では、ショウリョウバッタの「ごはん」に注目して、草や野菜の種類、与え方、保存方法、水分のとらせ方、季節ごとの管理方法まで、初心者でも安心して飼える情報をやさしく丁寧にご紹介していきます。

小さな命とのふれあいは、子どもにとっても大人にとっても特別な体験。失敗せずに、楽しく育てていくために、この記事をぜひ参考にしてください。読み終わるころには、「明日から飼える！」と思えるはずです。

第2章：ショウリョウバッタってどんな虫？自然の中で何を食べてる？

ショウリョウバッタは、日本の草地や空き地によくいる、緑色のバッタです。体は細長く、オスよりメスの方が大きめで、成虫は羽を広げて飛ぶこともあります。主に昼間に活動し、じっと草に隠れていることも多いですが、餌があるとよく動き回ります。

食べ物は完全な草食性。自然界ではイネ科の草（メヒシバ、エノコログサなど）を中心に食べており、やわらかくて細い葉を好みます。

下の表は、自然界でよく見られるショウリョウバッタの食事傾向です。

自然の中で見かける草を持ち帰って与えるのが理想ですが、手に入らない時には後述の野菜代用も検討できます。自然界の習性を知ることは、室内での飼育にもとても役立ちます。

第3章：主食になるのは？ショウリョウバッタが大好きな草たち

ショウリョウバッタの主食は、やはりイネ科の植物。特に人気なのが「エノコログサ（ねこじゃらし）」「メヒシバ」「チヂミザサ」などで、細くやわらかい葉が好まれます。硬くなった葉や、太すぎる茎は避けられる傾向があります。

以下に、おすすめの草とその特徴をまとめました。

草を採るときは、農薬の影響がない場所を選びましょう。また、数日分まとめて採取する際は、湿らせた新聞紙にくるんで冷蔵庫で保存すると鮮度を保ちやすくなります。

体験談①（主婦・30代）：「近所の公園でエノコログサを採ってきたら、すごい勢いで食べてくれてびっくりしました。うちの子と観察するのが毎日の楽しみです」

このように、身近な草で手軽に与えられるのが、ショウリョウバッタ飼育の魅力のひとつです。

第4章：野菜で代用はできる？おすすめの種類とNG食材

ショウリョウバッタに草が用意できない時、野菜での代用も可能です。特にきゅうりやキャベツ、にんじんは人気の代替食材。ただし、すべての野菜が適しているわけではないため、注意が必要です。

野菜は農薬の影響を受けやすいため、よく洗って与えるか、無農薬品を選ぶのが安心です。食べ残しはすぐに傷みやすいので、こまめに取り除くことも大切です。

体験談②（40代女性）：子どもが飼っていたバッタにきゅうりを与えたらパクパク食べてくれて、「自分のあげたごはん」を嬉しそうに見ていました。

逆に、パンやお菓子などを与えるのは絶対にNG。ショウリョウバッタの消化器官では処理できません。安全なものだけを少しずつ与えるのがコツです。

第5章：幼虫と成虫では好みが違う？成長段階別の食べ方の特徴

ショウリョウバッタは脱皮を繰り返して成虫になりますが、幼虫と成虫では食べ物の選び方にも変化があります。

幼虫の頃は、固い葉では食べられず、食べ残しも多くなります。柔らかい草を選び、食べやすくしてあげるのがポイント。逆に成虫になると、ある程度固さがあっても問題なくなります。

体験談③（小学生の母）：脱皮直後は食べる量が減っていて心配でしたが、2日後にまたモリモリ食べ始めて安心しました。

脱皮の前後は食欲が落ちることもあるので、無理に食べさせようとせず、清潔な環境で見守るのがベストです。

第6章：エサの与え方と保存のコツ｜毎日どれくらい？どこに置く？

ショウリョウバッタは1日に少しずつ食べるタイプ。与えすぎると腐りやすく、飼育環境が悪化する原因になります。以下が基本の与え方です。

特に夏場は腐敗しやすいため、半日ごとにチェックしましょう。新鮮さを保つためには、草や野菜を湿らせたキッチンペーパーで包み、タッパーに入れて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。

体験談④（主婦・50代）：冷蔵庫で保管しておけば2〜3日はもつので、週に1回まとめて採取しています。

毎日観察しながら「今日は食べた？」「食べ残しはある？」と様子を見ることで、健康状態のチェックにもつながります。飼育のコツは“こまめさ”にあります。

第7章：水分補給はどうする？霧吹きだけで足りる？

ショウリョウバッタは水を直接飲むことは少なく、主に草や野菜から水分をとっています。そのため、水入れを設置する必要はありませんが、適切な水分管理は健康維持に欠かせません。

湿度が低すぎると脱皮に失敗する原因にもなります。特に夏場のエアコン下や室内飼育では、定期的な霧吹きで環境を整えましょう。

体験談⑤（30代女性）：最初はコップに水を入れてたんですが全然飲まないので霧吹きに変えたら、葉の水滴をペロっとなめていて安心しました。

乾燥が激しい日は、飼育ケースの壁に軽く霧を吹いて湿度を調整するのも効果的です。ただし、やりすぎるとカビや雑菌が発生するので、1日1〜2回にとどめましょう。

第8章：快適な飼育環境をつくろう｜ケース・湿度・レイアウト

ショウリョウバッタを元気に育てるためには、エサだけでなく「住まい」も大切です。シンプルな虫かごでも飼育可能ですが、より快適にする工夫を加えると、長生きしてくれる可能性が高まります。

とくに脱皮時は足場が必要になるため、ケース上部に枝を渡すなど、立体的な設計がおすすめです。

通気口があるタイプを選ぶことで、湿気がこもりにくくなり、雑菌の繁殖も防げます。夜間は静かな場所に置いて、光や騒音を避けるようにしましょう。

第9章：よくあるトラブルとその対処法まとめ

ショウリョウバッタを飼っていると、さまざまなトラブルに出会うことがあります。以下に代表的な例と対処法をまとめました。

特に複数飼いは注意が必要で、狭い空間でのストレスやエサの取り合いが原因で、共食いに発展することがあります。

Q&A①「急に全く動かなくなりました…死んでますか？」
→昼間でもじっとすることがありますが、足や触覚が全く動かない場合は要確認。夜に様子を見ると動いていることもあります。

Q&A②「フンがやわらかくて心配」
→きゅうりなど水分の多い野菜を控えて、草中心に戻すと改善することが多いです。

第10章：自由研究にも！観察記録と親子で楽しむコツ

ショウリョウバッタの飼育は、夏休みの自由研究や親子のふれあいにもぴったりです。毎日の「食べた量」「脱皮の様子」「動きの変化」などを観察することで、生き物の成長を身近に感じられます。

観察記録でよく使われる項目は以下のとおりです。

自由研究にする場合は、エサの種類ごとの食べ方比較などもおすすめ。食べるスピードや好みの傾向など、子どもでも気づけるポイントが多くあります。

Q&A③「脱皮した殻ってどうすればいいの？」
→観察ノートに貼っておくのも良いですし、残しておくと成長記録として役立ちます。

記録をつけることで、バッタとの距離がぐっと縮まるはず。飼育だけで終わらせず、「育てて学ぶ」体験にするのも素敵な時間の使い方です。

第11章：野草が手に入らないときの工夫と代替手段

雨の日や外出が難しい時、野草が採れない状況も出てきます。そんな時のために、代替手段を知っておくと安心です。

また、近くのスーパーやホームセンターで猫草が手に入る場合は、非常に便利です。育てておけば、いつでも新鮮なエサとして使えます。

Q&A④「ペットショップの草って食べますか？」
→猫草（オーツヘイなど）は好む個体が多く、無農薬なので安心です。はじめは少量から試してみましょう。

外で草を採れないときのストックとして、野菜＋市販草を組み合わせておくと、飼育がグッと楽になります。

第12章：まとめ｜ショウリョウバッタとの暮らしは、エサ選びからはじまる

ショウリョウバッタの飼育は、見た目のかわいらしさ以上に、毎日の変化をじっくり感じられる豊かな体験です。とくに「何を食べるか」「どう与えるか」「どんな反応を見せるか」は、観察の中で一番楽しいポイント。

エサとしては、イネ科の草が最適ですが、きゅうりやキャベツなどの野菜でも代用できます。水分のとり方、与え方、飼育環境、脱皮への配慮などを押さえれば、初心者でも長期間元気に育てることができます。

最後に、今回紹介した内容を簡単に振り返りましょう。

小さな命と向き合う時間は、きっと子どもにも大人にも忘れられない思い出になります。あなたもぜひ、ショウリョウバッタとのやさしい暮らしをはじめてみませんか？